株式会社の共同経営において気をつけたい点(司法書士・植森春奈)

株式会社の共同経営において気をつけたい点(司法書士・植森春奈)

こんにちは、クロスオーバーネットワークの植森春奈です。

一雨ごとに暖かくなり、春の到来も間近といったところですが、今年は例年になく桜の開花が早いとのことで、このブログを読んでいただけるころには、ひょっとすると桜も散り始めているかもしれませんね。

 

さて、今回は「株式会社の共同経営において気をつけたい点」をテーマにお話ししたいと思います。

 

共同経営といっても、パートナー同士の関係性やパワーバランスは千差万別。
短期的にどのように事業を軌道に乗せるかだけでなく、成功した時に得られる利益の分配や損失負担についての考え方、各自の役割分担など、組織の在り方について、じっくりと話しあい、コンセンサスを作りあげたうえで起業に向かっていただくことが肝要と言えます。
そして、できればそれを覚書や共同経営契約書としておいていただけるとなお良いでしょう。

 

共同経営者とともに会社を設立することお考えの場合、特にお気をつけいただきたいのが、出資比率についてです。
ビジネスパートナーとして対等であるのは素晴らしいことですが、出資比率までが50%ずつという状況は回避するべきでしょう。

役員や定款の変更、増資など株式会社の重要な意思決定は原則的に株主総会の決議によりますが、これは基本的に、全株主の議決権の過半数を有する株主が出席し、出席した株主の議決権の過半数または3分の2以上の多数で行うものです。

したがって、出資比率が50%ずつである場合、共同経営者同士の意見が相反するとき、会社の意思決定が遅々として進まないといった事態が起こり得ます。ですから、出資比率として望ましいのは、共同経営者のうちのいずれかが少なくとも50%を超えることです。
さらに3分の2以上の株式を保有している状況であれば、会社の重要な意思決定が滞る事態は避けられます。

 

また、出資者(オーナー、スポンサー)がビジネスのノウハウのある人物を代表取締役に据えて、経営の采配を任せるといった形の共同経営も存在します。
こういった場合にご注意いただきたいのが、役員任期についてです。

非公開会社の取締役の任期は最長約10年ですが、前述のような形態の株式会社は、任期をあまり長く設定しすぎないことをお勧めします。

 

長すぎる役員任期の問題は、オーナーと代表取締役の意向が食い違い、任期途中で代表取締役に役員を退いてもらうといった局面で浮上します。
このような状況では、なるべく自主的に辞任していただくことが望ましいのですが、やむを得ず役員を解任する場合、残存任期の役員報酬と同等の金額の損害賠償請求をされる可能性もあります。
そのため、このような場合の役員任期は2年から長くても5年の間で設定されるとよいでしょう。

共同経営は互いの得意分野を持ち寄ってより良いシナジー効果がもたらされるものです。
その反面、船頭多くして船山に上るといった事態に陥らないよう、それぞれの役割分担の明確化と緊密なコミュニケーションが重要となります。

 

みなさまも共同経営をお考えの際はぜひ上記のような点を考慮のうえ、取り組んでみてください。

 

司法書士・植森春奈